伊勢原市の歯医者、大野歯科医院のブログページです。
早いもので、11月ももう半ばです。これから年末にかけて、大人も子供も飲食の機会が増えますね。
子どもの時には「甘いジュースや炭酸飲料は歯に悪い」と親御さんによく言われたかと思います。そこで、このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
甘みは無くてレモンフレーバーの飲み物なら大丈夫?
味のついていない炭酸水なら歯に影響はないの?
歯の健康だけでなく、身体の健康やダイエットのために炭酸水を飲む方もいらっしゃると思いますので、気になりますよね。
そこで今回はお口の中のpH値と歯の健康についてお話します。
このブログを最後まで読むことで、炭酸飲料が歯に良くないといわれる理由も、嗜好飲料から上手に歯を守る方法もお分かりいただけます。
お口のph値と脱灰について
まず知っておきたいのは、私たちのお口の中は通常pH6.8~7.0の中性に保たれていること。
しかし食べ物や飲み物がお口の中に入ると、口腔内のpHは酸性に傾きます。
pH5.5以下になるとカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出し、歯の表面のエナメル質が溶けていきます。(これを脱灰といいます。)
通常ですと唾液が30分以上かけてお口の中を中和してくれますので、唾液がよく出ていれば溶けた部分はすぐに修復され、それほど歯にダメージを与えることはありません。
しかし長時間㏗が低い状態が続いたり、飲食の頻度が多いと口内が酸性に傾き、歯の健康が危ぶまれます。
無味無臭の炭酸水で歯が溶けることまずありませんが、風味や酸味に注意!
全く無味無臭の炭酸水ですと、やや酸性ですが5.5phには至らないものが多くので、歯へので影響は少ないといえます。ただ、炭酸水に含まれている甘さや酸味は㏗値に関係していますので要注意です。
甘いものが虫歯の元になるイメージは強いと思いますが、酸っぱいものも歯を溶かす原因になります。pHが酸性の飲み物を摂るときには、意識しましょうね。
要注意!pHが特に低い酸性飲料
甘みや酸味のある炭酸飲料のpH:2.3~2.9
乳酸飲料のpH:3.3~3.9
スポーツドリンクのpH:3.6
市販果汁100%ジュースのpH:3.7
ワイン:2.9~4弱
歯を溶かさない嗜好品の飲み方の工夫
ここで、歯を守りながら炭酸飲料を楽しむためのポイントをお伝えします。ちょっとの工夫で歯をダメージから守ることができますので、意識してみて下さいね。
- お口の中にためておかずにすぐに飲むようにする
発泡・シュワシュワ感を楽しもうと、飲み物を口腔内に長時間溜めていると、歯が長い時間酸性にさらされることになります。歯に負担がかかりますので、できるだけ溜めずに飲んだり、ストローなどを使ったりするのが良いでしょう。 - 飲む時には間隔をあけるようにする
唾液は酸性に傾いた口腔内を中性に戻してくれますが、時間をあけずにずっと飲んでいると、中性に戻る時間がありません。ダラダラと食べたり飲んだりするのはやめましょう。 - 寝る直前は控える
就寝中には唾液の分泌が減りますので、寝る前の飲食は控えましょう。お口の中が酸性になっていると、歯が溶けやすくなってしまいます。 - 砂糖や柑橘系風味の飲料に注意
特に柑橘系のものは甘味と酸性度が高くなるので、歯への影響は大きいです。お子様向けの飲み物であれば、酸味と甘みが相乗されるように多めに入っていることが多いので、よく気を付けましょう。
まとめ
飲み物は甘味だけでなく、酸性によって歯を溶かすことがあります。酸度の強い飲み物や食べ物を長時間かけて摂取することはできるだけ控えましょう。飲んだ後に水やお茶などを飲むと、中性に戻すのを助けてくれますので、ぜひ試してみてください。
また、甘いもの好きでなくても、ワインなどの嗜好品の摂取により、歯が溶けて弱ってしまうことがあります。こういったことを防ぐためにも歯の定期検診を受けて、お口の健康を心掛けましょうね。お口のケアのことなら、私たち大野歯科医院のスタッフにいつでもご相談ください。