伊勢原市の歯医者、大野歯科医院のブログページです。
突然ですが、歯の一部が白っぽくなっていてお困りの方はいらっしゃいませんか?
初期虫歯の可能性もありますが、乳歯、あるいは永久歯の生え変わりの時期からずっと、同じ部分が白っぽかった方もいらっしゃるともあると思います。
今回この白い部分はいったい何なのか、歯の健康にどんな影響を与えるのかお話ししてきます。
ホワイトスポットとは?
歯の一部分がまだら状に白く濁っている状態をホワイトスポットまたは白斑症と言います。ホワイトスポットは初期の虫歯にも見られますが、遺伝的要因や、乳歯の虫歯や歯のケガなどで起きることもあります。今回は虫歯以外の原因について特に見ていきましょう。
エナメル質形成不全が起きる原因は?
時折、生えてきたばかりの歯の一部が白く濁って見えることがありますが、これは歯のエナメル質の成長が部分的に阻害されることで起こります。「エナメル質形成不全」もしくは「エナメル質石灰化不全」ともいわれています。
ではエナメル質形成不全はどうして起きるのでしょう?代表的な原因は2つあります。
胎児期の影響
胎児期の母親の栄養不足、ビタミン不足、ホルモンバランスの異常が原因と考えられています。
妊娠7週目くらいから、胎児の口の中では乳歯のもとが作られはじめ、10週目くらいには乳歯がほぼ揃い、14週目くらいからは永久歯までの形成が始まります。本当に小さな時から、赤ちゃんはお母さんの影響を受けているのですね。
乳歯のときのケガや虫歯の影響
乳歯に外傷を受けてしまった場合、永久歯がエナメル質形成不全にかかることもあります。歯の表面にある硬いエナメル質が衝撃によってうまく形成されず、弱い歯質で形成されてしまうのです。乳児のときの虫歯も同様に永久歯に影響します。
エナメル質形成不全と歯の健康
「時折、生えてきたばかりの歯の一部が白く濁って見えることがありますが、これは歯のエナメル質の成長が部分的に阻害されることで起こります。「エナメル質形成不全」もしくは「エナメル質石灰化不全」ともいわれています。」という言葉からもわかるとおり、エナメル質が弱く、普通よりも虫歯になりやすい特徴があります。エナメル質形成不全は、歯の健康にどんな影響があるのか見ていきます。
■軽度の場合→見た目のみ影響
歯の形には影響はありません。しかし表面に白い部分とそうでない部分が点在した歯になります。茶色や黄色っぽい縦じま模様が入ることもあります。
■重度の場合→見た目も形も影響。虫歯にもなりやすい
エナメル質形成不全が重度になると、歯の色だけでなく形状も変化してしまうことがあります。歯の凹凸やくぼみが目立ってきたり、歯面がなめらかでなく、ミゾ、欠けが生じます。歯の形が変形していたり複雑になっていたりすると汚れや着色が付きやすくなります。
歯自体が小粒で隣歯とのすきまが大きく、いわゆる「すきっ歯」になってしまうこともあります。エナメル質の内側の牙質が透けて、歯が全体的に黄色っぽく見えることもあります。
エナメル質の形成不全と診断されたら気を付けるべきこと
基本的にエナメル質は一度つくられたらそのままで、再生されることはありません。体質として、一生向き合っていく必要があります。虫歯になりやすいので特に意識して、歯のケアに努めましょう。
見た目については、歯科治療で目立たせなくすることも可能です。歯が欠けたり脆くなってしまっている場合は、早い段階で治療することで影響を少なくできます。
そして何よりも大切なのは、かかりつけの歯科に定期的に通うことです。歯の専門家のフォローを受けながら、大切な歯を守っていきましょうね。