伊勢原市の歯医者、大野歯科医院のブログページです。
先日、伊勢原で「はたちのつどい」が行われました。
私たちの頃は「成人式」と呼ばれていましたが、成人年齢が18歳に引き下げられたことで「はたちのつどい」に名称が変更になったのですね。
さて、大人としてこれからの人生を歩み出す方々に、知っておいていただきたい事実があります。
それは「お口の健康は、40歳を過ぎた頃から下り坂に入る」ということです。
虫歯が無いから歯医者に行く必要が無いと思っている方もいるかも知れませんが、決してそんなことはありません。大人の虫歯は自覚症状のないまま進んでしまうことが多いからです。
今回は特に10代から30代の若い方向けに、歯科検診の重要性をお話します。
8020運動からみる定期検診の重要性
成人の歯の本数は32本で、親知らずを除くと28本あります。
80歳になる頃、ご自分の歯が何本残っているのか考えてみたことはありますか?
ご両親を思い出して、なんとなくこれくらいかな?想像するかもしれませんね。
「8020(ハチ マル ニー マル)運動」という言葉を、一度は聞いたことがあると思います。
1989(平成元)年、から始まった、「80歳になっても20本以上自分の歯を保持しよう」という運動です。高齢になっても少なくとも20本以上の歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。
この達成者は、約30年前には10人に1人にも満たなかったのですが、2016年の調査ではなんと2人に1人以上が達成できるようになりました。いろいろな要因が考えられますが、歯科検診の受診率が高くなったことが大きく関わっています。
知ってる?歯科検診の役割
自分の歯をいつまでも大切に使うためには、歯科検診が重要な役割を果たしています。ここでは、歯科検診でどのようなことをするのか、その役割とともに簡単にお伝えします。
1. 早期発見と予防のお手伝い
歯科検診では、歯科医師やスタッフが専門的な知識をもとに、歯や歯肉などの状態を確認します。健康診断のようなものですね。
虫歯なんてないと思っていても、歯が溶けかけていたり、初期の歯肉炎に気が付く場合がよくあります。
また、虫歯のチェックと合わせてクリーニングを行うことで、歯垢やプラークを効果的に除去するなどの予防的要素もあります。
2. 正しい歯みがきや生活習慣のアドバイス
歯科検診では、患者さんとの対話を通じて、日常の口腔ケアに関するアドバイスを行います。
歯科衛生士から正しい歯みがきや歯間ブラシの使い方、口腔ケアのポイントを学び、お家で実践していただくことで、歯の寿命を向上させることができます。
毎回同じ話を聞いているように思うかもしれませんが、その時のお口の状況に合わせて必要なことをお伝えしています(かりつけの歯科を持つと、より変化に気付いてもらいやすくなるのでお勧めです)。
3. 定期的なモニタリングでのケア
歯科検診は歯の状態を継続的にモニタリングする場でもあります。患者さんの生活の変化やご病気、年齢によるお口の変化なども考慮して、生活スタイルや食事についてアドバイスします。
たとえば、どんなにきれいに歯をみがいていても、間食が多いと歯が弱りますよね。そのような生活習慣も総合的にアドバイスいたします。
成人してからも、年に1回は必ず歯科検診を受けましょう
働き盛りを迎える皆さんは、これからどんどん忙しくなり、歯科に通う時間を確保しづらくなると思います。「仕事や子育てなどが忙しくて、歯科に通う時間なんて無いよ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、歯科検診は大切です。特に大人の虫歯は自覚症状が無いままに進行することが多いですから、専門家の目と技術が絶対に必要です。
歯は自然に直ったりしませんし、不可逆的なことも多いので、気が付いてから対処してもなかなか治るものではありません。歯をいつまでも健康に保つために、どんなに忙しくても年に1回は歯科を受診しましょう。
まとめ
30年前と比べて、日本人の歯の状態は確実に良くなっています。いろいろな要因はありますが、歯科検診の受診率が向上したことが大きいです。40代以降の虫歯や歯周病はは自覚症状のないまま進行してしまいますので、歯をいつまでも健康に保つために、どんなに忙しくても歯科検診の習慣を継続しましょう。