伊勢原市の歯医者、大野歯科医院のブログページです。
先日患者さまから、
「歯みがきの時に出る血はどんどん出した方が良いって本当ですか?」と質問がありました。
確かに、歯肉炎や歯周病による歯茎の腫れには歯ブラシが有効です。
しかし「どんどん血を出す」のが良いというわけではありません。
歯磨きが強すぎたり、間違った方法で行われていたりすると、歯肉を傷つけ、お口を悪い状態にしてしまうことがあります。
今回は、歯肉炎・歯周病で歯ぐきが腫れる理由と、歯みがきの時に気を付けることについてお話します。
歯肉炎・歯周病でなぜ歯ぐきが腫れるの?
歯磨きの際に血が出るのは、歯肉炎や歯周病などの炎症の兆候です。
私たちの口の中には、さまざまな細菌が生息しています。
その中には、歯や歯ぐきを害する「悪い細菌」も含まれています。
これらの悪い細菌が歯にべったりとくっつき、プラーク(細菌の粘り気のある膜)を形成すると、歯ぐきが傷つき始めます。
身体はこれを治そうとして、歯ぐきに白血球という細胞を送り込みます。
白血球は体の警察のような存在で、悪い細菌を排除するために活動します。
その過程で、歯ぐきが腫れてしまうのです。
この腫れが歯肉炎の最初の兆候で、歯ぐきが赤くなったり、歯をみがくと血が出たりする原因となります。
そのままにしておくと歯周病になり、歯がぬけてしまうこともあります。早い段階で対策をしましょう。
歯肉炎の原因のプラークを取り除くために、出血はやむを得ない
歯肉炎を直すためには、お口の中から悪い細菌を除去し、炎症を減らすことが必要です。
出血するからといって歯みがきを中止すると、さらに炎症が進行し出血しやすい状態になります。
出血は一時的なものとして割り切って、積極的に歯みがきを行うことをおすすめします。
歯肉炎におすすめの歯ブラシ方法と、歯ブラシの選び方
歯ぐきの腫れの対策として、柔らかめの歯ブラシで2週間ほどしっかりとした歯磨きを続けてみましょう。
原因になっているプラークと細菌を歯ブラシで取り除けば炎症が治まり、出血しなくなってきます。
出血する場所は特にていねいに時間をかけてブラッシングしましょう。
歯ぐきをマッサージするように意識すると良いですね。
歯ブラシの選び方としては、毛先がやわらかく、ヘッドがコンパクトなタイプがおすすめです。
届きにくい奥歯などもブラッシングしやすいのがメリットです。決して力を入れ過ぎず、優しく刺激してあげましょう。
まとめ
歯肉炎や歯周病で歯ぐきが腫れている時には、歯みがきをしていただいて大丈夫です。
血が出ていても、ブラシを使って汚れをきちんと落としたり、マッサージをしたりして、歯ぐきの新陳代謝をよくすることが大切です。
ただ、自己流のケアだけでは歯周病の進行が早まる可能性もありますので、歯ぐきからの出血が気になる方は歯科受診をおすすめします。
お口の健康状態や正しいブラッシングができているかを確認し、機械で汚れをキレイに取り除くことで、状態はどんどんよくなりますよ。