伊勢原市の歯医者、大野歯科医院のブログページです。
お正月休みもあっという間に終わりましたが、みなさんゆっくりできましたでしょうか?
不摂生から、歯茎が腫れたり、痛くなってしまった方もいらっしゃるのではと思います。
歯みがきの仕方を見直し、いつもよりも念入りにお口のケアをしましょうね。
ところで歯周病のサインに「歯肉(歯茎)の腫れと出血」があるのはみなさんもご存知と思います。
では、なぜ歯肉が腫れたり、痛くなったりするか考えたことはありますか?
今回は、歯肉の腫れや痛みと歯周病についてわかりやすくお伝えします。
===== もくじ ======
歯周病と虫歯は原因が異なる病気です
歯周病で歯肉が腫れるとき、身体の中では炎症が起きています
歯周病は進行すると、治療が困難になります
大切なのは早期発見、早期治療です
まとめ
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歯周病と虫歯は原因が異なる病気です
虫歯と歯周病はどちらもお口の大敵ですが、原因となる菌に違いがあります。
虫歯は主にミュータンス菌が原因で、食べ物の糖分から酸を生産し、歯を溶かします。
菌の働きは迷惑ですが、菌自体に毒はありません。
一方、歯周病は歯周病菌が原因で、菌そのものが人体に有毒です。
歯肉や歯はもちろん、全身の健康に関わる恐ろしい病気です。
(心臓病、肺炎、早産、動脈硬化などの原因にもなります)
歯周病で歯肉が腫れるとき、身体の中では炎症が起きています
お口のケアが不十分だと、歯肉の近くに細菌が定着し、歯茎が腫れて赤くなってしまいます。
腫れがひどいと歯ブラシで出血してしまうこともありますね。
このとき、歯肉の中では自己免疫が一生懸命戦っているのです。
歯周病菌はそれ自体が有毒ですから、身体にとっては何としてでも排除したい敵です。
血液や唾液中の免疫も、歯周病菌と大いに戦います。
この免疫の戦いが、歯茎の腫れなど炎症=歯肉炎として症状が現れるのです。
歯周病は進行すると、治療が困難になります
初期の歯肉炎は、歯磨きや歯間ブラシなどで細菌をしっかり除去することで、比較的早く炎症を抑えることができます。
しかし症状が進むと、歯周病菌が歯と歯茎の間(歯周ポケット)の中に入り込み、自分で取り除くのは困難です。
そして歯周ポケット内は歯周病菌や免疫細胞の死骸の「膿」があふれます。
これが重度の歯周病(歯槽膿漏)で、完治が難しくなります。
大切なのは早期発見、早期治療です
歯周病対策で大切なのは、早期発見・早期治療=「細菌を寄せ付けない・取り除く」ことです。
先ほどもお伝えしましたが、軽度の歯周病(歯肉炎)でしたら、歯ブラシや歯間ブラシなどのケアで症状が改善する可能性が高いです。
しかし症状が進み、歯周病菌が歯周ポケットに入り込んでしまったら、ご自分で歯周病菌を取り除くのは困難です。
歯周ポケットまで入り込んだ歯周病菌やプラークは歯科できれいに取ってもらうことで、症状の改善が期待できます。
まとめ
歯周病菌は虫歯菌とは異なり、それ自体に毒性があります。
歯肉の腫れや出血は、免疫が歯周病菌と戦っている炎症反応です。
歯周ポケットに入り込む前に菌を除去するのは比較的容易ですが、症状が進んでしまうとご自分で対処するのは難しいです。
症状が出る前から定期検診、歯のクリーニングを受けて、早めに歯周病対策をしましょう。